Linuxインストールメモ 〜FMV-BIBLO MF5/600Rの場合〜


職場で富士通の新型ノートPC(FMV-BIBLO MF5/600R)を入手したので、早速、 Linuxをインストールすることにしました。
新型ノートPC、ということで、Linuxではかなりの確率ではまってしまうわけです が、今回も、予想通りというか、はまってしまいました。:-p
具体的には、次のような点です。

以上のような点をクリアできれば、FMV-BIBLO MF5/600RでLinuxが使えるようにな ります。
今回、地元kmlug(熊本Linuxユーザ会)のオフ会(飲み会)で、いろいろとご助言も いただきながら、試行錯誤の末、動くようになりましたので、今後の参考に、と思 い、要点をまとめてみました。皆様の参考になれば幸いです。

ハードウェアの特徴

FMV-BIBLO MF5/600Rは、富士通のノート型パソコン、FMV-BIBLOシリーズの2000年 冬モデル(2001年1月末提供開始)で、B5ファイルサイズ、薄さ24.5mmのスリムボディ にモバイルマルチベイを搭載している(標準でCD-R/RWドライブを搭載)。
CPUはPentiumIII 600MHz、メインメモリ128MB、HDD:20GB、xga対応LCD、というこ とで、自宅のデスクトップ(K6-2/450)をはるかに凌駕している。^^;
本機の詳細は、http://www.fmworld.net/product/_frm-pc0101/biblo-mf.htmlを参照のこと。

オペレーティングシステム

本機のHDD先頭10GBには、標準でWindows Meと各種のアプリケーションソフトウェ アがプレインストールされているが、Windows NTサーバアプリケーションのデモで 使用するマシンにするため、Windows2000にアップグレードした。(これについて は、http://www.fmworld.net/win2k/taiou.htmlを参照のこと)
今回は、残りの10GBをターゲットに、 Vine2.1をインストールすることにした。

前準備

富士通では、WebサイトでFMV主要機種のLinux対応状況を公開しているので、まず はこちらをチェック。
これによれば、ビデオ関係でチップ情報を検出しないなど、一部制限はあるものの、 何とかなりそうであることがわかる。

インストール

Vine2.1のバイナリCD-ROMをセットし、PCを再起動すると、お約束通りインストー ラが起動されるので、そのままenterを叩いてインストールを開始すると。。

・グラフィカルモードでのインストールができない

しばらくすると、画面がじわっと紫色に変わり、キー入力も受け付けなくなってし まう。。あわわわ。。ということで、気をとり直して、再起動。
boot: のプロンプトでは、text と入力し、テキストモードでインストールすべし。

・10GB以降にある空き区画の設定ができない

とにかく空きが10GBもあるので、「インストールの種類」で、安易に「全パッケージ インストール」を選んでしまうと、直後に現れる Disk Druid で区画設定するときに、 rootパティションが大き過ぎ、と怒られてしまい、先に進めない。
ここは、面倒でも「カスタムシステムのインストール」を選択し、fdiskで区画を 切った後、Disk Druidでマウントポイントの設定をすべし。

・ブートフロッピィディスクの作成に失敗

ファイルコピー終了後、ブートフロッピィディスクの作成が行なうことができる。 以降で説明しているが、liloの制限の問題からブートフロッピィディスクは必須で あるため、ここで必ず作っておきたいのであるが、残念ながらフロッピィディスク ドライブがUSBタイプであるため、ブートフロッピィディスクの作成を選択しても /dev/fd0を認識できず、ダンマリになってしまう。


#USBタイプのフロッピィディスクドライブって、/dev/sda で認識するんですね。
#知りませんでした。(情報ありがとうございました。>富永さん)

この段階で気づいた人は、しかたないので、ctrl+shift+F2あたりで逃げて、該当 タスクをkillするしかない。
で、ブートディスクは、CD-ROMに入っているブートイメージを使い、Bootdisk howtoあたりを参考に、他のマシンとかを利用して、別途作るしかなさそうである。。 (私は、自宅マシンのインストール時に作成したブートディスクを使い回しました。)

・liloの実行で失敗

インストールのフィナーレで、liloを使ってブートセクタを書き込む事になる。今 回は、先頭10GBにはWindows2000が入っていることもあり、私はMBRに記録されてい るNTローダを使って起動OSを選択することにした(具体的な方法は後述)。
この場合、ブートセクタは、rootパティションの先頭(512バイト)に記録すればよ い。事前のliloの設定では、このあたりに注意しておけばよいが、最後のliloの実 行段階で、何やらエラーが出ている。rootパティションが8GB以降にあることが問 題らしい。
とりあえずここでは、インストールを終了し、ブートフロッピィから起動後、再度、 liloを実行すべし(詳細は後述)。

・フロッピィディスクから起動できない

紆余曲折の末?インストールも何とか完了し、いよいよ起動だが、何故かフロッピィ ディスクからブートしない(涙)。かなり悩んだが、kmlugのオフ会で、BIOSの設 定をいろいろといじっていたら起動できるようになった。BIOSセットアップユーティ リティで、起動→起動デバイスの優先順位→フロッピーディスク→Y-E DATA USB-FDU を選択し、spaceキーで先頭に移動すべし。
#多謝!>富永さん なお、この設定は、USBフロッピーを接続するたびにやらないといけないみたい。。

ちなみにフロッピィディスクからブートすると、LILO: というプロンプトで止まる が、私のように、他のPCにVineをインストールした時に作成したブートディスクを 使い回そうという場合は、ここで、linux root=/dev/hda5 などとして、rootパティ ションの位置をカーネルに教えてあげないといけない。
それにしても、USBフロッピィディスクからの起動はやたらと遅い。。(苦笑) はやいとこ、ディスクから起動できるようにせねば。。。

・NTローダからの起動

何とか立ち上がったので、まずは先ほど失敗したliloをやり直して、MBRに記録さ れているNTローダから起動できるようにする。


#この辺は、オフ会(飲み会)の席でやったので、正確なメッセージなどは記録して
#いないので、あしからず。。。


まずは、liloで rootパティションが記録されている/dev/hda5 の先頭にブートロー ダを書き込む。/etc/lilo.conf で boot=/dev/hda5となっていることを確認し、 liloを実行。ところが、rootパティションが8GB以降にあることが問題となりエラー となるため、-l をつけてリニアモードとするが、これも失敗。ここで、富永氏か ら、-L ではどうか、との助言あり。man liloでは出てこないが、lilo -h では出 てくる怪しいスイッチ。。何だかよくわからないが、だまされたと思って試してみ ると、これがうまくいくんだなぁ。。:-)

#またまた多謝!>富永さん
(-L について、何か知っている人いたら、ご連絡下さい。)


次に、Linuxのブートセクタをファイル化し、Windows2000側に持ってくる。
# cd /mnt; mkdir dos_c; mount -t vfat /dev/hda1 /mnt/dos_c
# dd if=/dev/hda5 of=/mnt/dos_c/bootsect.pbr bs=512 count=1

注)Windowsの区画をNTFSにしている方は、Linuxからの書き込みができないので、 いったんフロッピィディスクに書き込んで、Windows起動後にC:\にコピーすべし。

今度はWindowsを起動し、c:\boot.ini の末尾に、c:\bootsect.pbr="Linux" を追 加。これにより、NTローダから、Linuxの起動を選択できるようになる。

#この辺の情報は、
#http://search.zdnet.co.jp/help/tips/linux/l0046.html
#などを参考にしました。情報をいただいた武蔵さん、野村さん、ありがとう
#ございました。

・Xの設定で失敗

この件は、前述した富士通のLinux情報サイトにも書かれていたので、インストー ル時のXの設定は当初からあきらめ、あとで(kmlugの飲み会の席で:-p )、じっく りやることにした。
まずは、Xconfiguraterを使って、モニタの種類や解像度などをいろいろと選択す るも、表示が分裂したような状態でうまくいかない。ここで、最近、同じATI Rage Mobilityが搭載されたSHARPのノートPCを購入し、同じくはまった松永さんよ り、ドライバをMach64からSVGAに変えるとうまくのでは、との助言あり。
XF86SetupでSVGA を選択し、Xサーバを入れ換える(注)と、みごとに立ち上がっ た。


#多謝!>松永さん


(注) XFree86-SVGA をrpmでインストール後、/etc/X11/Xのリンク先を、 /usr/X11/R6/bin/XF86_SVGA に変更します。
XF86Setupは、キーボードの設定のところで異常終了するみたいなので、その部分 は飛ばし、後で /etc/X11/XF86Config を書き換えるのがよいでしょう。
しかし、それにしても画面描画が遅い(苦笑)。調べたところ、 XFree86-SVGAではフレームバッファを使っているので、画面の書き換えが遅い、と の事。Mach64にはバグがあるようだし、Redhat6.2ではバグフィックスされている (がTrueTypeフォントが使えない)とか、Laser5 LinuxのMach64ドライバでいける、 とか、いろいろと情報はあるようなので、もう少しはまってみる価値はありそう。 :-)

(追伸)
で、その後、Laser5のモジュールを試してみたところ、うまくいきましたので、ご報告しておきます。

  1. まず、Laser5のftpサイトから、LASER5 Linux 6.4用のバイナリ(XFree86-Mach64-3.3.6-20LL8.i386.rpm)をget
  2. rpm -Uvh で展開後、Xconfigurtor を実行。自動検出されたMach64ドライバを選択して完了。
以上で、あっけなく終了。描画速度が段違いです。(満足):-)

(追伸その2)
その後、私と同様に、BIBLO MF7のXの設定ではまっている方からメールで連絡があり、Xconfiguratorがうまく動かないので、XF86Configを見せて欲しいというリクエストがありましたので、参考までに、現在の私のXF86Configをここに置いておきます。参考になれば幸いです。

・サウンドカード

前述した富士通のLinux情報サイトによれば、ALSAで対応可能、とあるし、 sndconfigを実行しても、オーディオチップを認識しないので、標準のOSSでは無理なのかな、と諦めていたが、dmesgで確認すると、

Feb 18 13:45:42 biblo-mf5 kernel: i810_audio: only 48Khz playback available. 
Feb 18 13:45:42 biblo-mf5 kernel: i810_audio: Found 1 audio device(s). 
Feb 18 13:45:30 biblo-mf5 rc.sysinit: Loading sound module (i810_audio) succeeded 
という具合に、サウンドカードが認識されている。試しに、wavファイルや音楽 CDを再生してみると、ちゃんと音がでているので、どうやらカーネルが認識してく れているみたい。:-)

・・・と、思って、mp3とかoggとか再生してみると、どうも具合悪い。(涙)
デフォルトでインストールされていたOSSのドライバ(i810_audio)では、音が飛んだりノイズがひどかったりするので、ALSAをインストールしました。

1. vine-plusから、以下をインストール

2. snddevices を実行

いくつかエラーが出ますが、いいのかな?(結果オーライということで):-p

3. /etc/conf.modules を編集

#ALSA
alias char-major-116 snd
alias char-major-14 soundcore
alias snd-card-0 snd-card-intel8x0
alias sound-slot-0 snd-card-0
alias sound-service-0-0 snd-mixer-oss
alias sound-service-0-1 snd-seq-oss
alias sound-service-0-3 snd-pcm-oss
alias sound-service-0-8 snd-seq-oss
alias sound-service-0-12 snd-pcm-oss

※alias sound-slot-0 i810_audio はコメントアウトします。

4. rmmod で i810_audio ac97-codecなどのサウンド系モジュールをアンロード

5. depmod -a

6. modprobe snd-card-0

xmmsなどを起動して、ちゃんとオーディオファイルが再生されることを確認。 なお、起動直後は全ボリュームのレベルが0になっているので、ミキサーを 起動して調整します。
これで、クリアな音質のサウンドが楽しめるようになりました。

・FMV-J185

本体に標準添付のものではないが、100BASE-TX対応のPCMCIA用Ethernetアダプタが ついていたので、これも認識させたかったが、Vineのカーネルに附属のPCMCIA環境 では認識できなかった。kmlugの飲み会の席上、野村さんと武蔵さんのノートでは 認識したことから、最新のpcmcia-csでは対応しているらしい。そこで、野村さん のpcmciaの設定ファイルを参考に、/etc/pcmcia/configに、以下の設定を追加し、 カードマネージャを再起動したら、うまく認識するようになった。


#多謝!>野村さん、武蔵さん


card "Fujitsu FMV-J185 Fast Ethernet" version "FUJITSU", "LAN Card(100BASE-TX)(FMV-J185)" bind "eepro100_cb"

・その他のデバイス

このノートPC、CD-RWを初め、IEEE1394、光オーディオ出力など、他にもいろんな デバイスがついており、これらがLinuxで利用可能かどうか、まだ試していないの でわからない。そういう意味では、まだまだはまり甲斐のあるマシンではあるが、 :-p とりあえず、普通の使用では不自由なく使えるようになったので、いったんこ こでまとめておくことにした次第である。


Copyright (c) 2001-2004 Ryoichi "Rio" MURASHIMA
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